コラム

JUST There(そこが訊きたい)! 斉藤先生(17)

(前回よりつづく)

――  巨視的にみると、先生のほかのお仕事としてはAC概念の導入ということがはずせないと思いますが……

斉藤先生:ACという言葉だってそうだよね。いちおう日本では、医療にACというトレンチ(溝)を作って、一つの流れを作って、患者が私という臨床家のところまで来るように作ったわけで、こうなると私の仕事っていうのは、まさに土木工事に近いですよね。


ただ、結局は、コンセプトっていうのは独り歩きしますから、何でもかんでもアダルトチャイルドって言葉で解決しようとする奴が出てくると、これはもうどうしようもない。それはそれで一種の隠蔽になっちゃうわけですよ。

「ACだから」って言ったって、「だからどうした」って話だよね。そういうふうに使うと、ACという言葉じたいに何の意味もない。



(つづく)