コラム

JUST There(そこが訊きたい)! 斉藤先生(15)

(前回よりつづく)

――  アメリカの場合、そういう更生事業の出資団体というのは、たとえばアディクト(依存症者)と何か関係があるんでしょうか。


斉藤先生:結局まあ、資金を回収できるという見込みがなければ、資金を出さないと思うんですよ。だから、純粋にビジネスとして成り立つかどうかを考える人たちが出資しているんだと思う。


そういうものは、保険会社が作ったわけでもない。アメリカの保険会社は、むしろアル中には冷たいですからね。保険も、アルコールまでカバーしようとすると、保険料がものすごく高いものになっちゃうし。だからアメリカではアル中は、医療費が高すぎて病院に入れないでしょう。

そうすると、そういうインスティテュートに行くしかない。こういうところも、それなりにかなり高額ではあるし、A・Aに毛の生えたようなことしかやっていないんだけど、医者へ行く金ほどは高くないから、アル中が酒抜きしようとなると、そういうところへ行くことになる。

だから、そういう機関の存在は、医者の無能さの証明みたいなものですよ。

「病院へ入れたってしょうがない、刑務所へ入れたらもっとひどい、だから入れましょう」

という場所だからね。刑務所の経営というか、運営だって、むちゃくちゃ金がかかるでしょ、三食喰わせて、看守をつけて、ってサービスをしなくちゃならないから。



(つづく)