用語集

治療

治療(ちりょう / treatment, therapy)とは、基本的には病気や怪我をしている患者を、病気や怪我をする前の状態へもどすための医療行為のことをいいます。いわば治癒(ちゆ)を起こさせる、もしくは支える行為といってよいでしょう。

しかし、その病気がいつからどのように始まったのかなどによって、病気が始まる前の状態へもどすことが不可能である場合もあれば、そうすることが患者にとってかえって良くない場合もあります。

また、患者自身がそれを望まない場合もあります。


精神医療においては、治療とは患者の精神世界を操作することと大きく重なるだけに、患者の人間としての主体パーソナリティを尊重する観点から、こうした数々の場合を配慮しないわけにはいきません。
医学の父、すなわち西洋医学の祖であるヒポクラテスは、「医者が病気を治すのではなく、身体が病気を治す」といい、治療という概念に関してはむしろ東洋医学に近い、自然治癒力をもっとも重視する考え方を持っていたと言われます。

このヒポクラテスが、医術というものを、当時の迷信や呪術から切り離したことが、医学が科学として発展していく出発点となったわけですが、まわりまわって長い歳月が過ぎ、科学が技術と深く結合してくると、ともすれば「医者が病気を治す」部分だけが治療として強調され、悪質な例としては治療者の満足感や達成感のために治療がおこなわれる場合も生じてきました。

このような反省を経て、治療の枠の外で回復が模索されるようになり、そのうちの大きな流れが私たちのような自助グループとなりました。

自助グループにつながっている人々は、けっして治療というものを否定しているわけではありません。治療と治療外の体験、もしくは治療ミーティング自助ミーティングの使い分けは、まさに患者一人ひとりの主体にゆだねられているのです。