用語集

サバイバーズ・ギルト

サバイバーズ・ギルト(suivivor's guilt)とは、自分だけ生き残った、もしくは自分だけ生き延びたなどの理由で抱く罪悪感、あるいはそれに似た感情のことをいいます。

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アメリカの文化人類学者ルース・ベネディクトは『菊と刀』のなかで、西洋は「罪の文化」、日本は「恥の文化」と分類しました。そのため日本人は恥ばかり気にして、罪の意識が欠けている、などと批判されることがあります。

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しかしその一方では、日本人は、サバイバーズ・ギルトという形で罪の意識をいだきやすいこともまた指摘されます。

たとえば、太平洋戦争のときは、戦地におもむいた兵士たちのあいだで、戦友が戦死したり、特攻隊で生き残ったりすると、「戦争で死ねなかった」ということが、その後のその人の人生の重荷になったりしました。

また、最近では東日本大震災の後に、被災地だけでなく、被災地から離れた人々のあいだにも、このサバイバーズ・ギルトが広がりました。
この感情は、人々がボランティアとして現地へ入っていく動機にもなりましたが、このために震災後多くの人が鬱(うつ)になっているともいわれます。