用語集

コ・メディカル

コ・メディカル(co-medical)とは、医師以外で医療にかかわるスタッフのことを指す和製英語です。

古い辞書によっては看護師を除いているものがありますが、一般的には看護師を含めて、臨床心理士、作業療法士、歯科衛生士、理学療法士、管理栄養士、保健師、助産師、救急救命士、社会福祉士、精神保健福祉士など幅広く範囲に含めて使います。

医療従事者などと訳している辞書もありますが、じっさいには必ずしも医療の枠組みに入っている職業人だけを指すものではありません。

日本語訳が確定しないせいか、たいてい「コ・メディカル」とカタカナ書きします。
それに該当する「co-medical」という英語は存在しません。
英語では、医師の周辺で活躍する専門職の人は paramedic、もしくは paramedical staff といいます。
しかし日本においては1982(昭和57)年、糖尿病患者教育担当者セミナーの講演において、阿部正和東京慈恵会医大学長(当時)が、患者教育には医師のみならず全ての関係スタッフの協力が不可欠であるが、英語の接頭辞 [para-] は「補足する」「従属する」という意味があり適切ではないとして、「協同する」を意味する接頭辞[co-]を用い「コ・メディカル」という造語を提唱し、これが後に定着するチーム医療の考え方と合致したため、コ・メディカルとして広く知られるようになりました。

精神医学の世界では、クラウディア・ブラックをはじめとしてコ・メディカルが果たしてきた業績は大きく、現在でも、先進的な理論は概して、従来の医学理論の枠にとらわれてしまう医師よりも、かえって臨床現場で起こっていることを柔軟に観察・分析できるコ・メディカルに受け容れられているという特徴があります。