用語集

レセルピン

レセルピン(reserpine)は、1950年代からある向精神薬の一種で、精神安定剤、血圧降下剤として用いられています。アドレナリン作動性ニューロン遮断薬の一つ。シナプス小胞へのカテコールアミンやセロトニンの取り込みを抑制し、その結果、これらがシナプス小胞内において枯渇させることができ、それが薬効となっています。
昔からインドでは、蛇に咬まれたときに使うジャボク(学名:Rauwolfia serpentina)という植物の根が、高血圧や精神錯乱にも効くといわれていました。1952年、アメリカの精神科医クレイン(George W.Crane)はそれを聞き、精神病患者に試すことを思いつき、製薬会社であるチバ社がその根から有効な塩であるレセルピンを分離することに成功しました。
レセルピンの鎮静効果があきらかであったので、NIHのバーナード・プロディ研究室において脳内のセロトニンの減少とレセルピンの効果についてが研究され、これが一般には生化学的精神薬理学の確立とみなされています。