用語集

アノニマス・ネーム

アノニマス・ネーム(anonymous name)は直訳すると「匿名の名前」となります。
日本語で考えると、それ自体、矛盾するようですが、ようするに自助グループに参加するときに使う、ニックネームハンドルネームのようなものと考えていただくのが良いようです。

自助グループのミーティングなどでは、参加するあなたがどこの誰なのか、今まで何をしてきたのかはいっさい問いません。そのために本名を名乗る必要がありません。そのかわり、その自助グループだけで通用するアノニマス・ネームを使って発言したり、呼び合ったり、交流したりします。

自助グループを通して知り合った人とは、何十年というおつきあいになっても、お互い本名を知らず、知っているのはアノニマス・ネームだけという場合が多くあります。それでもお互いのシェアを通して、相手の人間性は、職場や近所でおざなりの交流をしている人よりも、はるかに深くわかりあっているものです。
こういうことからも、本名や住所や役職名といったものは、その人を語るのに、いかに本質的な情報でないかがわかったりもします。

社会的な役割や序列を脱ぎ捨てて、アノニマス・ネームで交流するのは、自助グループの中でパワーゲームを行わないためでもあります。なぜならば、パワーゲームは回復のために最も有害なものの一つと考えられるからです。