用語集

イミプラミン

イミプラミン(imipramine)は、最初の抗鬱剤(こううつざい)または抗うつ薬の一つです。脳内神経末端へのノルアドレナリンセロトニン再取り込み(Retaking)を阻害するとされ、副作用として抗コリン作用があるとされています。

クロルプロマジンの分子構造を少し変えることによって開発され、1957年にトフラニール(Tofranil)という商品名で販売が開始されました。いわば一番はじめの三環系抗鬱剤ですが、用途が確立するまでに3年近くの歳月を必要としました。さらに同じ1957年、もう一つの別のタイプの抗うつ薬、すなわちモノアミン酸化酵素阻害薬イプロニアジドが開発され、この二つの薬によって今日の抗うつ薬の市場の原型が作られたとされています。

1960年、リンフォード・リース(Linford Rees)は『ネイチャー誌』に抗うつ薬による治療の到来を確信する記事を発表しました。そこには、鬱病の薬物治療には、4種類の刺激薬、3種類のMAO阻害薬(MAOI, monoamine oxidase inhibitors, モノアミン酸化酵素阻害薬)、そして1種類の三環系抗うつ薬イミプラミンがあると書かれています。イミプラミンは電気けいれん療法ETCと比較すると効果は少ないが、軽い抑うつ状態に有効とされています。

しかし、最近の精神科医にして薬理学者デイビッド・ヒーリー(David Healy)によれば、

「イミプラミンはECTと同程度に有効であろうか。恐らく答えはノーである。この種の抗うつ薬市場は存在したか。……この答えはだれにもわからない」("Anti Depressant Era", 1997)

と書き、効果については極めて懐疑的であるとしています。