用語集

診断インフレと製薬会社

診断インフレが起こる原因はいくつか挙げられていますが、その一つとして考えられているのが、製薬産業の医学会への強力な介入です。製薬会社が、自分たちの作った薬の消費者をふやすために、「だいたい健康。でも少し病気の傾向がある」という人に対して「いくらか病気。でも、今はいちおう普通の生活を送れてるけど」という範疇に変わるように、無用な心配をあれこれあおることが指摘されています。

また、臨床の現場で患者と接する医師たちは、製薬会社から治験のデータを数字で示されると、それを信じないわけにはいかないか、むしろそれに頼りたくなってしまう、というのが現状です。こうして医師たちは、いつのまにか製薬会社の薬を患者に出すために、製薬会社の都合のよいように患者の病名を診断していくようになります。こうした医師と製薬会社の関係は、患者からは死角となって見えません。

しかも、医師に示されるこれらのデータは改竄や捏造をされている場合もあります。

2014年7月日本で、ノバルティス社の高血圧のための薬の治験データが改竄されていた事件(ノバルティス社事件)が耳新しいですね。糖尿病や肥満の治療薬に関しても、治験データの改竄が明らかになっているところをみると、これはあながち見過ごせない問題だと言わなくてはなりません。