用語集

診断インフレ

診断インフレ[診断のインフレ](しんだんいんふれ, しんだんの-/diagnostic inflation)とは、近年の精神医学における過剰診断によって必要以上に精神科領域の患者や病人、精神障害をもつ者などが増加すること、また、そこからもたらされるさまざまな弊害のことです。たとえば、正常な人々の正常な生活までもすべて医療の対象に組み入れられていく、ほんとうに医療サービスを必要とする重篤な者が埋もれて適切なサービスを受けられなくなる、などの弊害です。

DSM-IVの編纂責任者であったアレン・フランセスによって提唱された概念です。フランセスは、最新版のDSM-5について、さらに診断インフレや過剰診断への懸念を募らせ、自身が運営するブログ『Psychology Today』に「DSM-5と診断インフレ」という論文を2012年に発表しました。

診断インフレが起こる原因については、「診断インフレと製薬会社」をご参照ください。