用語集

精神分析

精神分析(せいしんぶんせき / psychoanalysis)とは、フロイトが1895年ごろに考えついた精神療法の一種です。それは一連の大きな理論を形づくっていて、それらをひっくるめて精神分析学という一つの学問が成立しています。

じっさい精神分析という作業の内容をおおざっぱに言うならば、自由連想法といって、長椅子に寝かされた患者が思いつくままに頭にうかぶ言葉や文章を、片っぱしから口に出し、それを聞いている治療者が公正中立な立場で分析していき、それを何回も繰り返すことによって、患者が病んでいる神経症ヒステリーの原因をつきとめるというものです。

これだけ聞くと、かなり神秘的な、あるいは宗教的な儀式のように思われるかもしれませんが、フロイトはこの治療の方法を、厳正な科学にもとづいて作り上げたのでした。

じじつ、精神分析によってヒステリーや神経症から治癒した患者は多くいるのですが、膨大な時間や費用がかかること、治療者へのさまざまな負担も大きいこと、効果が数値として示しにくいこと、治療者が患者の主体に侵入すること、などといった面で多角的な批判を浴び、一方では患者のほうでも、薬物療法によって手っ取り早く治りたいと望む者が多く、精神分析そのものは20世紀の中ごろまでにどんどんすたれていってしまいました。

しかし、その原理については高く評価され、多方面の治療者たちによって、ときには肯定的に、ときには批判的に受け継がれていきました。

そのため、現在でも精神療法の三大潮流の一つとして数えられ、現代の精神医療の現場に、さまざまな工夫と応用をほどこされて受け継がれています。

現在の私たちの自助グループの活動も、遠く源流をたどっていくと、精神分析による自由連想法を、治療者が患者の主体へ侵入することなしに行うにはどうしたらよいかという反省と模索から来ている側面があります。