赤ちゃんの舟 活動ブログ

NPO法人JUSTの非営利特定社会事業「赤ちゃんの舟」の活動ブログです。

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おとといのブログ、「赤ちゃんの舟 これまでの活動まとめ 6」では、
性の若年化の背景と弊害について
簡単にまとめてみましたが、
その続きについて少し書いてみたいと思います。
 
性の若年化には、
前回触れた「ピア・プレッシャー」という要因もありますが、
実際「ノー」と言えない女性が多いという要因もあります。
 
日本の女性は国際的に、
自分に対する評価が、非常に低いことで知られています。

簡単に言うと、
「私はそんなに安い女じゃあないのよ」と思える女性が
とても少ないということです。
 
その延長として『イエローキャブ』などという本が書かれた時代もありました。
その本の評価はさておきまして……
 
女性が受身であるために、
ピルの認可に20年かかって、
バイアグラの認可には半年かからなかった
のではないか、
という人もいます。
 
女性が自分の手で何かを決められないという問題は、
避妊や中絶にも関係してきます。
 
日本では避妊は、
だいたいが「女性が男性にお願いしておこなうもの」であり、
しかもその主流はコンドームです。
 
女性が「ノー」と言えないので、
「避妊して欲しいのに言い出せなかった」ために
「望まない妊娠」となるケースも多くあります。
 
初交日、つまり初体験のときに
だいたい7割ぐらいが「避妊をした」と答えます。

ただし、これは本人たちが「避妊をした」と思っているだけで、
実際は効力のある避妊ではない場合も含まれた数字です。
 
研究によると2回目以降の避妊は、
だんだんとナアナアになってきます。
「常にきっちりと自分の意思に沿って避妊しています」
という人は2〜3割に落ちてくるのです。
看護学生でさえ、いつもちゃんとしているのは65%。
高校生、OLさんは半分以下という調査結果です。
 
これでは「望まない妊娠」を防ぐのにも
著しい限界があるといわなくてはならないでしょう。
 
専門家に言わせると、
これは「避妊して欲しいのに」と思うこと自体が実は間違いだということです。
 
日本でコンドームというと、たいていは男性用コンドームであり、
男性がつけなければ、できません。
 
そこで、海外のように、
男性用コンドーム以外の避妊方法を積極的に考えなくてはならないはずです。
 
この分野の専門家である
虎の門病院 産婦人科 須藤なほみ先生(当時)を
私たち「赤ちゃんの舟」では、2008年にお招きし、
具体的なデータとともに詳細をご講演いただきました。

ご講演内容は、現在発刊準備中です。
 
また、須藤先生は現在、
ポートサイド女性総合クリニック ビバリータ院長 清水なほみ先生として、
ティーンズのための性行動に関する相談サイトを運営されておられます。
詳しくはこちらをどうぞ。
Dr. 半熟卵のつぶやき
http://plaza.rakuten.co.jp/hannjyuku/
私たちが「赤ちゃんの舟」を始めてから、
多くの方から、多くのご意見やご質問をいただきました。
これまで、それらにインターネットでお答えする機会がなかったので、
このブログで随時お答えしていきたいと思います。
 
前回、「赤ちゃんの舟 これまでの活動まとめ 5」では、
性に関する情報の発信に寄せられる、
「寝た子を起こすな」というご批判に応えるものでもありました。
 
今回「赤ちゃんの舟 これまでの活動まとめ 6」では、
その続きをお答えしていきたいと思います。
 
「寝た子を起こすな」というご意見はごもっとものように聞こえますが、
そういうふうにおっしゃる方々はたいてい
たとえば10代の子どもたちが日々、漫画や携帯サイトで触れている
性に関する情報がどんなものかをご存じないことが多いのです。
 
その結果、
若年層の人工中絶率性感染症が増加しているという現実があります。
 
「こんなに粗雑な、誤った情報に子どもたちを曝すくらいなら、
本当のことを教えてあげたほうがいいだろう」
というようにお考えになるのではないでしょうか。
 
1987年と2002年を比べた統計によりますと、
女性の性行動が非常に活発になっています。
女性は、特に高校1年生以降の伸びというのは急激です。
 
だいたい高校2年生ぐらいで、初交累積率
要するに、「初体験済み」の人がいる割合は、
女性が抜くことになります。
 
高校3年生を終えるころまでには、
半分くらいの方が経験済みになります。
中学3年生でも、ほぼ1割の方は経験している状態、
高校1年生で4分の1になるので、
性教育をするタイミングとしては遅くとも中学3年生、
中学を卒業するまでには性教育をしておかないといけません。
危ないのは、
中学を卒業した春休みと高校1年生の夏休みというわけです。
 
 
なぜ女性の方がこれだけ男性よりも上がってくるのか。
ひとつは、
高校生の男性が年上の女性と付き合って
色々教えてもらう機会よりは、
高校生の女性が年上の男性と付き合って
悪いことも良いことも教えてもらう機会の方が多いからでしょう。
 
「私はまだ未経験」ということを、
無用に焦る子どもたちもいます。
そういうことを、

ピア・プレッシャー

などといいます。
 
「周りはみんな経験済みじゃないか」
「経験していないのは自分だけなんじゃないか」
ということを恥だと思ってしまい、
ほんとうはそれほど望んでいないのに、
無謀な性行動に突き進んでいってしまう場合です。
 
 
この分野の専門家である
虎の門病院 産婦人科 須藤なほみ先生(当時)を
私たち「赤ちゃんの舟」では、2008年にお招きし、
具体的なデータとともに詳細をご講演いただきました。
 
ご講演内容は、現在発刊準備中です。
 
また、須藤先生は現在、
ポートサイド女性総合クリニック ビバリータ院長 清水なほみ先生として、
ティーンズのための性行動に関する相談サイトを
運営されておられます。
 
詳しくはこちらをごらんください。
Dr. 半熟卵のつぶやき
http://plaza.rakuten.co.jp/hannjyuku/
 
 
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私たち「赤ちゃんの舟」は、
「早期性教育の啓発」などと大上段に構えたことは言っておりませんが、
心に傷を残さない、適切な妊娠のためには、
どういう情報とメッセージを若い世代に伝えるべきかということを探求しております。
 
たとえば、現代の私たちの生活にすっかり溶け込んだ携帯電話は、
わずか13年前、1998年に急速に売り上げを伸ばした文明の利器でした。
 
私たちの「赤ちゃんの舟」にご賛同くださり、ご講演に来てくださった専門家たちは、
見る視点の角度こそ異なれ、皆この「1998年現象」に着目しております。
 
10代の若年層における性交経験率が飛躍的にアップし、
それにともない人工中絶率や性感染症への罹患率が大幅に増えてきたのも、
この1998年前後なのです。
それから10年以上あとの世代で大人をやっている私たちは、一部は現にその渦中にあったわけですから、どうしてこのような一見、無関係の統計の数字が底辺でリンクしているかは、何となくわかる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 
携帯電話の急速な普及によって、どんどん知らない人と出会い、
セックスをする機会が増えていったのです。
出会い系サイトができて、未成年であろうとなかろうと、
見知らぬ人と性交をおこない、
報酬を取ることもできるようになりました。
 
よく、若年層の性教育に反対、もしくは批判的である教育者などは、
わざわざ寝ている子を起こすことはない
とおっしゃいます。
 
しかし、じっさいには携帯電話の普及によって、子どもたちは皆、大人たちの知らないところで「起きている」のです。
だとすれば、「起きている子」には正しい知識を与えたほうがいい、
と考えるのが私たち「赤ちゃんの舟」の考え方です。
 
もちろん、これは
「携帯電話がわるい」
「IT技術がわるい」
と言っているわけではありません。それではまるで、
包丁というものがこの世にあるから、刺殺事件が起こるんだ
というのと同じ議論になってしまいます。
 
包丁がないと、私たちは困る。
包丁がなかったら、
野菜を買ってきても、どうやって食べればよいのでしょう。
要は、包丁を持っていても、
人を刺すのではなく料理をするのに使えばよいだけです。
 
彼らの世代にあったメディアである携帯やインターネットも
然るべき用途に使えば、
大きなメリットが見込まれるばかりです。
 
然るべき用途とは、
出会い系サイトへのアクセスではなく、
若年層への正しい性に関する知識の発信も含まれます。
 
私たち「赤ちゃんの舟」は、
インターネット技術をできるだけ活用していきたいと考えています。
 
 
詳しくはこちらをご覧ください。
 
http://www.just.or.jp/?lecture=001258
 
 
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このプロジェクト「赤ちゃんの舟」は2008年にスタートし、賛同してくださる多くの専門家の先生を招いて、私たちが少子化問題、妊娠・出産・中絶などについて正しい知識を持てるように、連続講演会を開催してきました。
 
そのときお招きした先生方には、次のような方々がいます。
所属先などは、2008年当時のものです。
 
2008年
5月21日 JUST主催 赤ちゃんの舟 研修会 
第1回「中絶するしかないのか?」
講師:斎藤 学 先生(家族機能研究代表 精神科医 JUST理事長)
 
6月4日 JUST主催 赤ちゃんの舟 研修会 
第2回「産婦人科医医療現場から見える『妊娠』」
講師:須藤 なほみ 先生(虎の門病院産婦人科勤務)
 
6 月25日 JUST主催 赤ちゃんの舟 研修会 
第3回「出産・中絶に関する知っておきたい法律・制度」
講師:川村 百合 先生(弁護士・JUST理事)
 
6月 「赤ちゃんの舟ホットライン」開設
 
7月2日 JUST主催 赤ちゃんの舟 研修会 
第4回「案ずるより産むが優し〜怖くなくなる出産・育児」
講師:大葉 ナナコ 先生
(バースセンス研究所代表・日本誕生学協会代表理事)
 
7月23日 JUST主催 赤ちゃんの舟 研修会 
第5回「フランスの出産、中絶、子育て事情に学ぶ」
講師:ミュリエル・ジョリヴェ 先生(上智大学教授)&斎藤 学  先生
 
8月6日 JUST主催 赤ちゃんの舟 研修会 
第6回「生まれてくる権利とは?」
講師:渥美 由喜 先生(富士通総研主任研究員)
 
8月20日 JUST主催 赤ちゃんの舟 研修会 
第7回「特別養子縁組〜民間活動17年の実績」
講師:横田 和子 先生(環の会代表)
 
11月1日 第1回 「赤ちゃんの舟 グループワーク・ミーティング」 開始
 
 
これらの講演内容はたいへん貴重なものであり、
録音記録を文字化することに同意してくださった諸先生方については、
現在、インターネット・書籍などの方法にて発信・公開する準備を進めております。
 
 
また、2011年秋からは、上記の先生方を含め、ふたたび現代日本の女性のリプロダクション(人口再生産)に関わる悩みの実態を、さまざまな角度から検証するために連続公開講座、オープンミーティングなどを開催する予定です。
 
その詳細は、本ブログのほか、弊団体JUSTのホームページ
 
http://www.just.or.jp/
 
にてお知らせしております。
 
一般の方々もぜひ、ふるってご参加ください。

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